今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
そして彼女の顎に手をかけ上向かせる。


「あっ……」


「力抜いて」


優しくそう言ったら彼女は抵抗するのを諦めたようにそっとまぶたを閉じてくれた。


その形のいい唇に軽くキスを落とした。


触れるだけ、今はそれで充分。


「こんなの恥ずかしい……、兄妹なのに」


彼女は顔を真っ赤にして指先で唇をなぞる。


「チー、顔が赤いね」


「ううっ、言わないで。だって凄く恥ずかしいんだもん」


「うん、実は俺も……」


俺の方だってそういう気持ちは彼女以上にある。


今まで妹だった千桜に男として強引に迫っているなんて実は顔から火が出そうなくらい恥ずかしい。


だけど、本当に恋人になったことを、こうやって確認せずにはいられない。


「だけど、こんな恥ずかしいことにも少しづつ慣れていって」


「う、うん」


「俺達、もう恋人になったんだから。こんなの普通だよ」


「……」


『普通』って言葉に違和感があるのか千桜は慌てだした。


「でも、こんなの一生慣れそうにないよ。私、今ドキドキしすぎて倒れそうなんだもん」


清純そのものの彼女の反応が微笑ましくて、クスッと笑みが零れた。


「大丈夫だよ、たくさん練習しよ」


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