お嬢は若頭のぜんぶを知りたい。


わ、わたしだって!
チョコミントアイスじゃなければ碧に食べさせてたのに!


「美味しいですか?」


そう聞かれて、わたしはこくりとうなずいてチョコミントアイスを次々に口へと運ぶ。


……だめだ。
また、碧のペースに乗せられる。


なんでこんなに普通にできるだろう。
本当になにをすればドキドキしてくれるの?


せっかくのデートなんだ。
もっと……もっとなにか、積極的にならないと!


「……碧」


わたしは隣に座る彼をちらりと見る。


「なんですか?」


碧は目を合わせてくれて、大きく息を吸った。


「……きゃっきゃうふふ、する」
「…………」


なぜか、彼はなにも言わず瞬きを繰り返す。
碧から言ったことなのに。


「するの!」


わたしは立ち上がって、彼の膝の上へと座った。


ドキドキさせたくて、積極的に頑張ったんだけど……恥ずかしすぎて心臓が今にでも破裂しそう。

外だし、だれかに見られるって可能性も充分にあるわけで。


っていうか、膝に座ったのはいいけど、きゃっきゃうふふって具体的にはなにするの!?

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