お嬢は若頭のぜんぶを知りたい。
友だち以上?
……それって!
「大親友!?」
ぐいっと健くんの胸を押して、体を離すと大きな声で言った。
目の前の彼は一瞬きょとんとしたが……。
数秒後、あはは!と笑い出す。
な、なに!?
わたしなにか変なこと言った!?
「そうそう!俺、茉白ちゃんと大親友になりたいの!」
笑いながら言う健くん。
なんか大笑いされてるけど……大親友になりたいって思ってくれてたんだ!
そう思ってくれるなんて、嬉しすぎる。
「わたしも健くんと大親友になりたいっ!」
「じゃあ今日から大親友ね、茉白ちゃん」
「うん!」
「連絡先交換しようよ。ずっと茉白ちゃんの知りたいって思ってたんだよね」
「交換する!」
健くんはポケットからスマホを取り出して操作をする、が。
わたしのスマホは教室だということを思い出した。
「わたしのスマホ、教室だからあっちで交換してもいい?」
「もちろん。っていうか、茉白ちゃん歩ける?大丈夫?」
「歩けるよ……!」
いつの間にか震えは完全にとまっていて。
立ち上がって、普通に歩くことができた。