双子を身ごもったら、御曹司の独占溺愛が始まりました
「結婚って大切なのは当人たちの気持ちだよ。一度切れた縁は切れてなくて、お互いずっと好きだったんだもの。なにがあっても星奈と香坂さんなら乗り越えられる。彼のご両親も認めてくれるよ」

 勇気の出る言葉をかけながら優しく抱きしめられると、熱いものが込み上がってくる。

「私はいつだって星奈の味方だからね。つらいことや悲しいことがあったら、遠慮なく頼ってほしい」

「う……ん、ありがとう」

 堪え切れずに涙が零れた。
 だめだな、私。優星君と再会してからというもの、涙もろくなった気がする。ちょっとしたことで涙腺が緩んでしまうよ。

 泣いていることに気づかれたら、絶対笑われる。だから必死にバレないようにしていたけど、鼻を啜ってしまった。

「やだ、星奈ってばもしかして泣いてる?」

 勢いよく離れて私の顔を見た公佳はまた笑う。

「やだ、泣かないでよー。昔はそんなに泣き虫じゃなかったのに、どうしたの?」

「それはだって……っ! 公佳が私を泣かせるようなことを言うからいけないんでしょ!?」

 笑われて恥ずかしくなり、文句を言う。だけどますます公佳の笑いは増すばかり。
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