双子を身ごもったら、御曹司の独占溺愛が始まりました
 初めて優星君の勤め先を聞いた時は驚いた。そこは誰もが知っている不動産会社だったから。最近では日本はもちろん、海外の富裕層向けの高級リゾート別荘地も展開している。

 それだけでも驚きなのに、会社の後継者だと打ち明けられた時は耳を疑った。今はまだ経験を積んでいるところで、彼の父親である社長の息子ということを隠して働いているらしい。

 私の父も会社を経営しているけど中小企業だ。彼の父親の会社とは比べ物にならない。
 将来、一企業のトップに立つ人。そんな彼と自分ではあまりに不釣り合いでは? と最初は思ったけれど、すぐに考えを改めた。

 私が好きになったのは優星君。決して肩書で好きになったわけではない。それに優星君だって家のことは関係ないと言ってくれた。結婚は心から愛する人とすると。

 だからどんなことが起こっても、優星君と添い遂げたい。そう思っていたの。でもそれは儚い願いだと思い知らされた。

 ヨーロッパの別荘地開拓を一任された優星君の、三年間の海外赴任が決まったと聞かされても、私たちの関係が壊れることはないと信じていた。

 本当は彼についていきたかったけれど、夢も諦められなかった。それを優星君も理解してくれていて、こう約束したんだ。
 優星君が海外に行っている間に私は自分の夢を叶えると。

 もっと学び、資金を貯めて自分のカフェをオープンさせたい。その夢を優星君も応援してくれた。
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