双子を身ごもったら、御曹司の独占溺愛が始まりました
 名残惜しさを感じながら離れ、ゆっくりと立ち上がる。そして指を搦めて手を繋ぎ、搭乗口へと向かった。
 手を離して優星君が搭乗口を抜けたら、もう二度と会えないんだ。

 そう思った瞬間、走馬灯のように彼と出会った日から今日までのことが頭を駆け巡っていく。

 私も優星君が運命の人だと信じている。もう優星君以外の人を好きになれないもの。

 搭乗口の前で足を止め、私を見た彼に笑顔で伝えた。

「優星君、好きだよ。……世界で一番大好き」

 突然愛の言葉を口にした私に優星君は目を見開く。でもすぐに彼も笑顔で言った。

「俺も星奈のことが好きだよ。……世界中の誰よりも愛している」

 初めて聞いた「愛している」の言葉。一生忘れられないよ。

 だからどうか優星君も忘れないでほしい。最後はとびっきりの笑顔で見送るから。

「いってらっしゃい」

「いってきます」

 私の頬にそっとキスを落とすと、優星君は「向こうに着いたら連絡する」と言って繋いだ手を離した。
 そのまま真っ直ぐに搭乗口に向かう彼の背中を見つめる。
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