双子を身ごもったら、御曹司の独占溺愛が始まりました
 優星君は頑張りすぎるところがある。よく泊まりに行った日も私が寝た後に仕事をしていることがあったもの。
 心配で言えば、彼は私を抱きしめたままクスリと笑う。

「それは星奈のほうだろ? 無理は禁物。お願いだから俺のいないところで倒れることだけはしないでくれ」

「うん」

 優星君の優しさにまた涙がこぼれ落ちた。

 身体に心に記憶に全部刻み込もう。私が好きになった人の記憶のすべてを。

 幸せな時間は長く続かず、再度搭乗アナウンスが流れて我に返る。いつの間にか周りには人だかりができていて、拍手まで送られていた。
 そこで優星君も状況を理解したようで、私たちは目が合うとどちらからともなく笑ってしまった。

「そろそろ本当に行かないと」

 そろそろ飛行機が飛び立つ時刻を迎える。搭乗口を見れば、さっきまでたくさんの人が列をなしていたのに今はひとりもいない。
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