双子を身ごもったら、御曹司の独占溺愛が始まりました
 だから私が今ここで双子を出産したことも、彼が考えてくれた名前をつけた子供たちが、すくすくと元気に育っていることも知らない。……ううん、この先もずっと知らせないつもりだ。

 私はこの先もずっと恋愛をすることはないと思う。だって優星君以上に好きになれる人と出会える自信がないもの。
 それでもいい。だって私には大好きな人との間に授かった星斗と星七がいる。

 そんなふたりを立派に育てることが、もうひとつの私の夢でもある。

 毎日目まぐるしく過ぎていくけれど、こんな日々がたまらなく愛おしい。

「ママー?」

 玄関から私を呼ぶふたりの声。

「ごめんね、今行くよ」

 急いで玄関へ行けば、ふたりは靴を履いた私の手をそれぞれ握った。

「よし、じゃあ行こう!」

「うん!」

「いくー!」

 小さな命を大切に育てていく。それが今の私にとっての幸せ。だからどうか優星君も夢を叶えて幸せに暮らせていればと願っている。たとえその幸せが、私以外の人と結婚していたとしても。
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