双子を身ごもったら、御曹司の独占溺愛が始まりました
『約束通り、迎えに来たよ』
　それはある日の夕食時、なんの前触れもなく星斗と星七が言い出した。

「ママ、パパはどこ？」

「パパは？」

「……え？」

　驚き固まる私にふたりは、上目遣いで続ける。

「ゆうちゃんのパパはねー、すごくおおきいの！　せーとのパパは？」

「せなもパパみたい」

「えっと……」

　返答に困り、頭を悩ませてしまう。

　保育園に通い始めた星斗と星七もつい先日、二歳になった。自分でできることも増えてきたし、保育園に通い始めたからか、言葉を覚えるスピードが速く感じていた。

　日に日に大きくなるふたりの成長が嬉しくもあり、このままではあっという間に大人になってしまうのでは？　と少し寂しくも思っていたけれど……。

「ねぇ、パパは？」

「パパはどこにいるの？」

　いつかはこの質問をふたりからされると覚悟をしていた。でもまさかこんなにも早く聞かれることになるなんて。

　どうしよう、どう答えたらいい？　どうすればふたりを傷つけないですむ？　いや、ひとりで産んで育てると決めたときから、ふたりに両親がいる幸せを与えてあげることができないことは決まっていた。
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