狂犬に愛される覚悟
狂犬と覚悟
昼休み中。

「君が、鈴野 愛妃?」
「は?」
「へぇー、結構可愛いな…!」
「あの、誰ですか?あなた」
「うーん、ゼロのことがこの世で一番嫌いな男かな?」
「そんな人が、私に何か?」
「まぁ…付き合ってよ!」
「え━━━━んーー!」
急に口を塞がれ、意識をなくした愛妃だった。


その頃、零王のスマホに着信が入った。
「誰?」
『久しぶり~!ゼ~ロ!』
「この声…宮城…!!」
『当ったり~』
「なんだよ?」
『金、融通してくんね?一千万!』
「は?」
『てか、お前の天使様を救うためなら、安いもんだろうが……!』
「天使……?
………って…」
『鈴野 愛妃』
「━━━━━!!!」
『一時間後に、いつものとこに…!』
そこで、プツンと切れた。

スマホが壊れそうな程に、握り潰す零王。

「アイツ……
もう……終わりだ…………」

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「おはよ、愛妃ちゃん」
「え?ここは……」
「ここは、俺の家みたいなとこ」
「はっ!
ここから、出してください!」

「んー、無理!
君、人質だし」
「は?
もしかして、零王に何か……?」
「ゼロには迷惑かけられっぱなしなんだよ……
でもそのゼロに、弱点があったとはな……
もっと早く気づけばよかった……!」
愛妃の頬をナイフで撫でる、宮城。

「零王は?」
「もうすぐ来るよ?」
「零王……」
「君も大変だね」
「は?」
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