魔女は今日も、忙しく恋する！

　別室の窓のそばで物思いにふけっているヘビにもコウモリのことを尋ねる。
　すると、ヘビは物憂げな表情でため息を一つ。

「…ワタクシ、気ヅキマセンデシタワ…」

「？？なんか、元気がないみたいね？」

「…エェ…。ワタクシ、言イ過ギテシマッタミタイ…。ドウシタラ償エルノカ、ト…」

「…。」

　ヘビはカエルとのケンカを後悔しているらしい。

　魔女は、まだ謝れておらずギクシャクしているコウモリを思い出した。

「フフッ、ろーぜガ気ニスル必要ハ、アリマセンノヨ？…ろーぜハ、今回ダケデスモノ…。一度ダケナラ、謝レバイインデスワ。…デモ、ワタクシハ…」

　落ち込むヘビ。
　魔女は励まそうと明るく言った。

「…ヘビ…あなたも、きっと謝ればわかってくれるわ…私たちは家族なんだもの！」

「家族……ソウデスワヨネ…！」

　ヘビは彼女の言葉に、目を細めて嬉しそうに笑った。


　その日コウモリは明け方ギリギリに、疲れ切って帰ってきた。

「コウモリ！一体どうしたの！？誰も出掛けたのを知らないって言うし…」

「…ゴメン…ろーぜ…」

　コウモリはそのまま眠ってしまった。
　彼女は誰も見ていないのを確認してから、そっとコウモリを抱き上げ、自分の寝床のそばに吊り下げて寝かせた。

（あんなこと言ったの、謝ろうと思ったのに…あんなに疲れ切って、何かあったの…？そういえば最近ダークに夢中で、みんなともまともに話もしていなかったわ…コウモリは私が嫌いになった…？）

　それに加え、魔女は大事なことを思い出した。

「私…自分に夢中で、魔力もコウモリに渡してあげてなかった…」

（何で私、こんな大事なこと…！！明日には抱きしめて魔力を渡してあげないと…）