君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~
「お互いのことは、あとでふたりきりでじっくり話してもらうとして。舞花さん、今日は彼の親代わりに私がこの席に座らせてもらってるんだ」
和やかだった空気が、落合先生の真面目な口調でピンと張り詰める。
「彼のご両親は、幼い頃に亡くなったそうでね。それでも久世は人並み以上に努力をして、今ではこんなに立派なドクターになった」
ご両親がすでに他界していると知り、思わず落合先生から久世先生に視線を移していた。
久世先生は落合先生に「先生、言い過ぎですよ」と苦笑を見せる。
幼い頃とは、どのくらいのときなのだろう。
私も父は幼い頃からいないけれど、両親共にいないということは、親戚だとかに引き取られて生活していたということだろうか……?
「久世にも話しているが、いずれ私が都内に持っている脳外科専門病院をすべて託そうと思っている」
知り合った頃から目にかけ、我が子のように久世先生を想ってきたのだと母から聞かされていた。
落合先生が将来的には自分の病院を継承したいと思っているほどなのだと、その信頼の深さを思い知る。
「舞花さん、これも何かの縁だ。まだ気持ち的に落ち着かないと思うが、いろいろと前向きになれるように、私も応援しているよ」
私の事情を知った上で掛けてくれた言葉だとわかり胸が震える。
思わず涙腺が緩みじわっと涙が浮かんだ。
「はい。ありがとうございます」
少し声が震えてしまったけど、にこりと微笑み言葉を返した。