君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~


 幸い、舞花はすぐに目を覚ました。

 強い精神的ショックとストレスが誘因となり自律神経のバランスが崩れ、抹消血管の抵抗が減少し血液が心臓に戻らなくなる。

 そのせいで血圧低下となり、脳血流が低下して意識を失ったのだ。

 意識が戻ってからしばらく安静にし、事情が事情だけにそのまま一緒に帰宅することにした。

 目を覚まし俺の顔を見た舞花は、何度も「ごめんなさい」と口にした。

 何について謝っているのかはわからなかったが、舞花が謝るようなことは何ひとつないと言って聞かせた。


「すみません。私のせいで、お仕事……」


 玄関のドアを入ったところで、舞花がぽつりとそんなことを口にする。


「気にしなくていい。抜けても問題ないように手配はしてきたから」

「はい……」


 舞花が倒れたと知り、元婚約者の男と直接顔を合わせてから、自分の感情のコントロールが上手くできていないような気がする。

 あれだけ釘を刺すように言えば、もう舞花の前にのこのこ現れることはないとは思う。

 しかし、どうもすっきりしないのだ。

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