君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~
「もう少し休んだほうがいい」
靴を脱ぎ玄関を上がって、そのまま舞花を寝室に連れていく。
「公宏さん、もう大丈夫ですよ」
「一応だ。言うこと聞く」
舞花は俺の言葉に「はい」と渋々ベッドに上がっていく。
横になり、ベッドサイドに腰掛けた俺をじっと見つめた。
「公宏さん……? 何も、訊かないんですか?」
恐る恐る、訊こうか訊くまいか。舞花はそんな調子で問いかけてくる。
どこか思い詰めたような表情なのはそのせいのようだ。
「舞花が話したいことがあるなら聞く。でも、話したくないなら無理には聞かない」
無理強いはしないし、舞花の心にこれ以上負担はかけたくない。
舞花はぼんやりと天井に視線を向け、何か思い出すように一点を見つめる。
そしてまた俺の顔に視線を戻し、静かに口を開いた。
「話があるって、園まで訪ねてきたみたいで……私に、話を聞く気はなかったんです。でも、最後に言いたくって、言ってやりたくて……今、私はすごく幸せだって」
「舞花……」
「でも、でも……目の前が急に暗くなって、倒れたみたいで……何も言えなかった」
悔しそうに唇を結んだ舞花を、腰を浮かし思わず両手で抱きしめる。
上体を起こした舞花のほうからも俺を抱きしめ、しがみつくように力がこもった。