君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~


 高校生のときに男性に襲われかけ、それから男性恐怖症になってしまったこと。

 自分と付き合っても、きっと満足な関係を築けないこと。

 気持ちはありがたいけれど、私自身の問題で受け入れられないことを話すと、智志くんは思わぬことを言った。


『そんなの、付き合ってみないとわからなくない?』


 これまで誰とも付き合ったことがないのなら、付き合うことが不可能かなんてわからない。智志くんはそう言ったのだ。

 そんな風に始まった私たちの関係も、早一年半が経過した。

 未だに男性が怖いというトラウマから逃れられない私との付き合いは、智志くんにとって時に苦痛だと思う。

 体も許せず、触れられることに恐怖を感じる私は、智志くんのことももちろんまだ受け入れられていない。

 付き合って一年半……普通の大人の付き合いなら、もう体の関係を持っていることが大半なはず。

 それでも聡志くんは私に無理強いすることなく、今の距離間で付き合い続けてくれている。

 そして半年前、付き合って一年の記念日。私の二度目の誕生日で結婚しようとプロポーズをしてくれた。

 こんな私でも、結婚なんて夢を見ていいのだろうか。

 そう訊いた私に、智志くんは迷いなく微笑み頷いてくれた。

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