君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~
目も合わせない、話しかけてもひと言程度しか返事も返ってこない。
大抵の男性は、そんな様子の女性と仲良くなりたいなどと思わないだろう。
だけど智志くんは変わっていた。
喋らない私に普通に話しかけ、かと言って詰め過ぎない適切な距離感で接してくれる。
私から話すことはできなかったけれど、いつの間にか苦痛で今すぐ帰りたいという気持ちは薄らいでいた。
もしかしたら、少し話す程度なら大丈夫なのかもしれない。
男性自体を一切シャットダウンしてきた私にとって、それまでそんな風に思う機会がなかったし、考えてみることすらなかった。
その後、何度か同じメンバーで集まる機会があり、あるとき智志くんから連絡先の交換を求められた。
それまでの私には考えられないことだけど、そのときは断ることなく連絡先を交換。
その後、個人的に食事に誘われ、数度ふたりで会う機会を経て、私の二十六歳の誕生日に付き合ってほしいと交際を申し込まれた。
しかし、友人として付き合うのと、男女の関係として付き合うのでは訳が違う。
誠意をもって交際を申し込んできてくれた智志くんに、私も誠意を持って理由を述べ、お付き合いはできないことを伝えた。