君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~
「舞花、ごめん。四時からお店の換気扇、修理にくるのすっかり忘れてて。電話かかってきちゃったからちょっと先に帰ってるわね」
「え、そうだったの?」
「終わったら、また連絡して」
母は久世先生に「先生、また」と軽く挨拶をしてそそくさと診察室を出ていく。
突っ立ったままそれを見送ると、久世先生が「どうぞ」と私に着席を促した。
「あの……私、どこか異常があるんですか? 後遺症とか」
自覚症状がなくても、母が見て病院に連れていったほうがいいと思う症状が出ているのかもしれない。
「今撮ってきてもらったものを見ても、画像的には特に異常はないですね」
「そう、ですか……」
モニター画面を見ていた久世先生が、突然私へと体を向け、じっと顔を見つめてくる。
いきなりどうしたのかと久世先生の顔を見つめ返しながら、鼓動が早鐘を打ち始めるのを感じた。
「え、あの……何か、変ですか?」
あまりじっと男性に顔を見られるのは気恥ずかしい。
すると、久世先生はふっと笑みを見せ「いえ、すみません」とキーボード入力を始める。
「お母様は、あなたの記憶の心配をされて今日診てほしいと」
え……?