君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~
食事を終える頃には日もすっかり沈み、オープンテラスの席はいつの間にか緑がライトアップされていた。
明るいときとはまた違ったいい雰囲気で、周囲の客はお酒を楽しんでいる席がほとんどだった。
「あの久世先生、やっぱり……」
駐車場に戻って再び助手席に乗せてもらい、運転席に乗り込んできた久世先生に顔を向ける。
バッグからお財布を取り出したところで、「だから」と横から手が伸びてきた。
「気にしなくていいって言ってるんだけど?」
お財布を出した私の手を掴み、バッグの中に戻すように押し込む。
突然大きな手に触れられてどきりとしたものの、「え、でも」と久世先生に目を向けた。
今までで一番近い距離で目が合ってしまい、ますます鼓動が音を立てる。
そんな私に微笑を見せた久世先生は、「ほら、しまう」と余裕の様子で財布をしまわせた。
「俺が付き合ってもらったんだから、当たり前」
そう言うと、財布をしまわせ離れていった手が頭の上をぽんぽんと二回撫でていく。
またドキッと心臓が跳ねる私に、久世先生は「わかった?」と言って車のエンジンをかけた。