君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~
そんな話を聞いて、ふと母が言っていた言葉が蘇る。
智志くんとの結婚が決まったあと、「嬉しくてお店でも常連のお客さんに話しちゃってるわよ」なんて母が言っていた。
もしかしたら、久世先生も私が結婚することになったという話を聞いていたかもしれない。
だとすればあの日、結婚を破棄されて気が動転し、転落したのではないだろうかという話まで母から聞いている可能性がある。
だけど、久世先生はそのことに関しては触れてこない。
でも、そんな気まずい話、聞かされたほうもリアクションに困るに違いない。
それ以上話題を広げると良くない方向に話が広がりそうで、全く関係のないネタを探す。
「そういえば今日のお昼、すごい雨が降りましたね。私、ちょうど母のお店にいたんですけど、配達の酒屋さんがびしょ濡れで」
すぐに話題が思い浮かばず、思い付いた天気の話を出して話を逸らした。