浮気 × 浮気


その時、必死に私に駆け寄ってきた誰かに上半身を起こされる。

瞼の上を血が伝い、意識も朦朧としている。何とか細目で確認しようとするも、それは何重にも重なってみえ、よく分からない。


「……明里……ん明里さ……」


途切れ途切れに聞こえてくる声。
不意に、ポタリと頬に冷たい刺激を感じた。


「明里さん…………っ!」


そんな大きな声が私の脳に響く。

私は徐々に遠のいていく意識の中、強い眠気に耐えきれず、意識をついに手放した………ーーーー。


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