婚約破棄をして乗り換えた元彼と妹と私の幸せ【現代、短編】
「それは、また食べたくなって困るとか、食べ過ぎて太るとかいう話?(英語)」
「そ、そう、そ、そうなの!(英語)」
 思わず視線を逸らしてエリックに答える。
 エリックには私の様子がおかしかったのはまるっとおみとおしだ。
 食べていた途中の皿をテーブルの上に置いて、私の顔をまっすぐと見た。
「本当は何?マイスィート、本当のことを言って(英語)」
 ……。しまった。
 泣きそうだ。
「妹は……。作るのはプロ並みだけれど、作った後の台所はそれは酷いもので、毎回どうしてそれほど散らかせるのかって状態で。しかも、いつもそのまま片付けもしないから、私が片付けて……(英語)」
 これでは、妹のせっかくのお菓子を作る腕を嫉妬して欠点を探して悪口を言っているようなものだ。
「それは最高だ!(英語)」
 え?
 エリックが笑顔になった。
「じゃぁ、このケーキは、柚芽とマイスィート二人で作ったっていうことだね!(英語)」
「ううん、柚芽一人で……(英語)」
 柚芽の手柄を横取りするようなことまではしたくない。ちゃんと否定しようと力なく言葉を続ける。
 心の中では、ぐるぐるとエリックに嫌われたくない……と言う思いが渦巻いてる。
 ああ、私……。エリックのこと、知らない間にこんなに好きになってたのか。
「二人でだよ。映画だって、監督だけじゃできないし、俳優だけでもできないだろう?なんでも一緒さ!柚芽が焼いて君が片付ける、チームで作ったってことだろう?姉妹で仲良くチームでお菓子が作れるなんて最高じゃないか!そんなケーキを食べられる僕は幸せ者だね!(英語)」
 エリックの言葉に、ぽろりと涙が落ちた。
「どうしたの?(英語)」
「な、仲良くなんか……ない。いつも私は、片付けなさいって怒って、イライラするだけ。妹は泣いて部屋にこもって……喧嘩ばかりで(英語)」
< 18 / 20 >

この作品をシェア

pagetop