離してよ、牙城くん。



「ん?
忘れたならお仕置きだよねー」


「あうぅ、……ちゃんと覚えてるよ」



「うん、百々ちゃんは従順だからなあ」


「ぐぬぬ……」



唸って対抗するけど、意味はまったくない。



どうせなら、このまま忘れているふりをしたい。

口に出せば、認めているも同然だもん。


けれど、言わないと必ずお仕置きが降ってくる……。



究極の選択を頭の中で天秤にかけた結果。




「……いち、朝倉百々の休み時間は牙城くんのもの、」




僅差で、牙城くんに従う方をとってしまった。





「そうだね、それ、百々ちゃん今日 破ったけど」


「牙城くん、目が笑ってないよ……」




「はい、次は?」




この世界は牙城くん君主制か。


絶対王政だ、ちなみに彼が王様。






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