わかりました、結婚しましょう!(原題:橘部長を観察したい!)

13. 橘部長と喧嘩してxxx

 バスルームは意外と狭く、お湯をためている間に、浴槽の隣のシャワーブースで髪を洗った。私がトリートメントをなじませてると、先に洗い終わっていた橘部長がじっとこっちを見ていた。

「ほんとに恥ずかしいから見ないでください!」
「綺麗だ」
「はい?」

 不意に顔を近づけてキスされた。

「桜はとても、綺麗だ」

 のぼせたかな、と思うくらいに頭がくらくらした。
 何この状況。
 逆! 逆!
 いつもは私が橘部長を観察してるのに、何故かずっと見られている。
 シャワーの細かな水滴が私の全身を刺激していた。体を洗ってる時もずっと見られていて、恥ずかしいのを突き抜けて、背伸びして私の方からキスをした。

 腰を抱き寄せられて肌が触れ合う。初めての時にはあんなに戸惑ってたキスにも、ちゃんと応じられるようになった。
 "キスで腰が砕ける"とか、"力が入らなくなる"とか、信じられなかった。でも今は、口は性感帯って本当なんだなと分かる。

「ちゅーするの気持ちいいです」

 舌を絡ませて、吸われたり、私からも吸ったりしてると、恥ずかしいくらいに腰が揺れてくる。
 口の中を犯されて、歯列も上顎も優しく舐められてると口の端から唾液がこぼれた。ちゅっと音を立てて唇を離して、橘部長がそれを舐めとった。唇が触れるくらいの距離だから、表情は無くても情欲が見える。

 橘部長が触れたら、こんなに気持ちいいの何でだろう。さっき自分で洗ってた時は、何にも感じなかったのに。好きな人に体全部を指と舌で愛撫されて、とろとろに蕩けて、どこに触れられても感じていた。
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