わかりました、結婚しましょう!(原題:橘部長を観察したい!)
……水滴なのか自分の汗なのかわからないけど、目に入って痛い。バスタブにもたれるように手をついている私は、ぎゅっと目を閉じた。
背中に、軽く触れるようなキスをたくさん落とされて、うしろから抱き締められて、悦んで震えるくらい気持ち良かった。
甘ったるく発情してる私の声が浴室に響いて、物凄く恥ずかしい。
「ああっ! んっ……」
「痛くないか?」
「いたくないっ! きもちいいっ! すっごくきもちいいの」
あまりに激しすぎて、閉じて暗いはずの視界に星が弾けるみたいだった。何も考えられなくて、朦朧としながら、ばかになるってこんな感じかぁと思っていた。
触れあっているのが気持ちいい。固い床の上だから、膝とかあちこち痛いのに、そんなのどうでもいい。やりたい放題されてるのに、求められているのがうれしい。
力の入らない腕が、だらんと垂れて浴槽に浸かってしまい、体を揺さぶられるたびに、ばちゃばちゃとお湯の中で揺れている。
「みや、びさぁん、すごいきもちい……っ!」
顔が見えないけど、橘部長は笑ってる気がする。振り返るのが怖いくらいに、激しく情欲をぶつけてくるから、私も行為に没頭した。
こんなに深く感じたことない。考え事する余裕なんかない。好きって気持ちがいっぱいで、他のことはなにも考えられなかった。