強引上司は虎視眈々と彼女を狙ってる【7/12番外編追加】
「…ふーん、あの藤吾がねー」

「…お前もニヤニヤするな」


翼さんは、本当に気さくで話しやすくて素敵な人だった。

その後も翼さんは2人の大学時代の話をたくさんしてくれて。

何と部長がミスターコンに勝手にエントリーされちゃった話まで!
まぁ、辞退したらしいけど。

その話をバラされた部長は余計な話するんじゃねぇ、と苦虫を噛み潰したような顔をしていた。よっぽど嫌な思い出らしい。

そんな部長を見て、私と翼さんはあはは!と笑い合ったりして。

そんな感じで3時間ほど楽しくお酒を飲み、明日も仕事だしそろそろ、となったところで私は帰る前にトイレへ。

お酒もご飯も美味しかったし楽しかったなーと思いながらトイレを済ませて、私たちのいた席まで戻る角を曲がろうとすると、

「お願い、もう一度だけ。やっぱり諦められないの」

「…無理だ、諦めろ」

「ねぇっお願いっ」

…翼さんが、部長に必死に訴えかけている声が聞こえてきた。

咄嗟に曲がりかけていた角に身を隠す。

幸い翼さんは私に気づいていないようだった。

私たちのいた席は、この角を曲がってすぐのところ。
だから、ここにいたら2人の会話は嫌でも聞こえて来てしまう。
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