強引上司は虎視眈々と彼女を狙ってる【7/12番外編追加】
…あれ?
確かにあの会話には誰のことが諦められなくてまだ好きなのか明言されていなかった気がする…

いや、でもあれを聞いたら普通翼さんが部長のことを、って思うよね⁉︎

「他に誤解してることは?」

「…じゃっ、じゃあ、部長が本気の恋はもういいやって思うようになったのは、翼さんがきっかけだったんじゃなかったんですか?昔翼さんにこっぴどくフラれたとか浮気されて別れたとか…」

「おい、何だそれ、妄想力逞し過ぎるだろ。まぁ、翼がきっかけっていうのは本当だから、半分当たりで半分ハズレだな」

そう言って部長は空いている椅子に座って、またあの苦虫を噛み潰したような顔で話してくれた。

ーーあいつ、普段はサバサバしてんのに昔から恋愛のことになると途端に重くなるんだ。
大学の時からあいつに好きな奴や彼氏が出来る度に俺は呼び出されて相談やら愚痴やら聞かされて。早朝だろうが夜中だろうがお構いなしだぜ?
で、ちょっとしたことで泣いたり笑ったり落ち込んだり。そんなん間近で見てたらさ、こんなに依存されるのもするのも何か怖いなって思うようになって。
じゃあ俺は適当な付き合いでいいやってなった訳。
翼が入社して俺が兄貴の弟だって分かった時も、同じようになってさ。付き合う前も付き合った後も別れた後も。
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