強引上司は虎視眈々と彼女を狙ってる【7/12番外編追加】

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その日、俺は急な来客対応のため会議室の手配をするべく総務部を訪れた。

通常会議室の使用は社内ネットワークで事前申請が必要なのだが、こういうイレギュラーな場合は直接総務に掛け合う。

「高山、急で申し訳ない。15時から空いている会議室を手配してもらいたいんだが…」

こういう時、同期がいると頼みやすくていい。

「おう、宇野か。俺今手が離せないんだ。すまん、三好ー、確認してやってくれ」

高山が向かいの席に座る女に声を掛ける。

「はい。15時からですね?確認しますので、お待ち下さい」

…三好。ほー、これが噂の日本酒手酌女か。

俺のいる企画部と総務部のフロアは階が違う上、仕事上そこまで接点がない。この時俺は初めて三好をまともに見た。

…日本酒を手酌するような女には見えねぇな。
これが俺の三好に対する第一印象だった。

見た目は可愛い系というよりは綺麗系。
割と整った顔立ちをしていて、肩より少し下くらいの髪は緩く1つに纏めていて清潔感もある。

ふーん、向井はこういうのがタイプだったのか。
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