強引上司は虎視眈々と彼女を狙ってる【7/12番外編追加】
「もう、しょうがないなぁ」

そう言いながらもどこか嬉しそうに向井を見ている三好。

お?これは…

「部長、ごちになりまーす!」

三好と向井がカチンと乾杯する。

ぐびぐびぐび、と生を半分くらいまで一気に飲み干し美味そうにぷはーっとする三好。

「美味いっ」

おいおい、豪快だな。

それにいい顔して飲みやがる。

「くくっ」

思わず笑いを漏らすと、

「あ、部長、今これがオヤジ女子たる所以かって思いましたね⁉︎」

「ははっ!まあ、噂には聞いてたけど、実際見るのは初めてだからな。噂に違わずオヤジだったわ」

揶揄い口調の俺に、

「悪かったですねぇ」

と、むくれる三好がまた可愛い。

頼んだ料理をでかい口でパクパク美味そうに食う姿だとか、日本酒を手酌しながら楽しそうに話す姿だとか、見ていて本当に飽きない女だ、三好ってヤツは。

人は見た目で判断してはいけない。

身を持って体験した。

そうして話しているうちに、三好には彼氏がいないことが判明するのだが、それにホッとしている自分に気付いて俺は密かに動揺した。
< 157 / 158 >

この作品をシェア

pagetop