強引上司は虎視眈々と彼女を狙ってる【7/12番外編追加】
「あ、じゃあ三好、ここに呼んじゃいます?ナマで日本酒手酌、拝みましょうよ」

ニンマリ笑う向井に、柄にもなく俺の胸は高鳴った。

は?高鳴る?意味分からん。どうなってんだ俺の胸。

でも、三好と一緒に飲む。その提案が俺をワクワクさせたことは事実。

「よし。今日は俺の奢りだ。三好も呼んじまえ」

今日はっつーか、いつも俺の奢りだけどな。

「あざーす!」

向井に呼び出された三好がやって来たのはそれから10分後。

お疲れ様です、と俺に挨拶してから向井の隣に座りつつ、

「向井、急過ぎるんだけど」

とちょっと不機嫌そうな顔で言う。

お、その顔もなかなかいい。

「いいじゃん、ちょうど予定なくなったとこだったんだろ?」

「うっ、まあそうなんだけどっ」

そう。三好は今日大学の友達と予定があったみたいだが、仕事が終わらないとドタキャンされたらしい。友達っつーか、ひょっとして彼氏か?
まあ俺には関係ねーけど。

「まぁ三好。今日は俺の奢りだ、好きなだけ飲んで食え」

「そろそろ来る頃だと思って生と三好の好きなつまみ頼んどいたから、ほい、駆けつけ一杯飲め」

向井が三好に生ビール中ジョッキを渡す。
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