強引上司は虎視眈々と彼女を狙ってる【7/12番外編追加】
小野の名誉のために言っておくと、小野だって決して見た目は悪くない。
悪くないのに向井と並ぶと霞んでしまうのだ、どうしても。
「三好、もういっそのこと俺たち付き合うか!俺、自分で言うのもなんだけど、なかなかの優良物件だと思うぞ!」
ぐいっと肩を組まれる。
…この酔っ払いめ。
小野、セクハラー、と由香里とみっちゃんからヤジが飛ぶ。
「…小野、私にも選ぶ権利、あるからね?」
手近な所で手を打とうとか、失礼にも程がある。
同期会でお馴染みのいつもの居酒屋の座敷の席。
向井、私、小野、その向かいに由香里、みっちゃんという並びで座っている。
由香里は彼氏持ちだし、みっちゃんは先日のみっちゃんの誕生日に入籍を済ませ、来週末には結婚式を控えている人妻だ。
ここにいるメンバーはもちろん全員みっちゃんの結婚式に参加する。
要するに、女子でフリーなのは私だけなのてある。