強引上司は虎視眈々と彼女を狙ってる【7/12番外編追加】
もしかして…と思い、部長、失礼します、と額に手を当てると、尋常じゃないくらいに熱かった。

一体いつから…⁉︎

全く気が付かなかった…

「部長!すごい熱ですよ⁉︎いつから具合悪かったんですか⁉︎」

一緒に飲んでる時から?

それともその前?

「…残業してる時から何かだるいなとは思ってたけど、今週激務だったし寝不足かなくらいにしか…」

喋る声も掠れて力がない。

「…もう!無理し過ぎなんですよ!」

この状態の部長を私1人で部長の家まで送っていくのはまず無理だろう。

となれば、残された方法はただ1つ。

「…部長、このまま私の家に連れて行きますよ?いいですね?」

「…三好」

「非常事態です。異論は認めません!」

"警戒しろって言っただろ"

部長はたぶんこう言おうとした。

一人暮らしの女の家に、弱っているとはいえ彼氏でもない男を連れ込むなんて。

もちろん、これが家に上がり込むための演技だったりしたら、私だってこんなことは言わない。

でもどう考えたって今の部長は本当に具合が悪い。
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