強引上司は虎視眈々と彼女を狙ってる【7/12番外編追加】
こんな状態の部長をこれ以上歩かせるべきではないし、一刻も早く薬を飲ませて休ませてあげたい。

問題は、部屋、綺麗だったかな、ということ。

いや、汚かったとしても、連れて行くしかないんだけど。

「…もう!四の五の言わずに行きますよ!」

そう言ってなんとか部長を立たせ、部長の腕を私の肩に回す。

藤よしから歩いて10分弱のところに私の住むマンションはある。

ここまで来れば、もう数十秒で到着する。

オートロックもエレベーターも付いていて、5階建ての3階角部屋1LDK。トイレ、バス別で管理費込み63,000円。

駅からは徒歩15分だが、この条件でこの家賃はなかなかの及第点ではないだろうか。


数十秒とはいえ167センチの私でも、180センチをゆうに越える部長に肩を貸して歩くのはなかなか大変だった。

何とか部屋までたどり着いて、リビング奥の寝室に部長を連れて行きベッドに横たわらせた。

スーツのままじゃ寝苦しいだろうし皺になってしまうので、たまに終電を逃したと泊まりに来る大学生の弟が置いて行ったスウェットをクローゼットから引っ張り出して部長に渡す。

「部長、とりあえずこれに着替えて下さい。自分で着替えられますか?」
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