強引上司は虎視眈々と彼女を狙ってる【7/12番外編追加】
その後100均で300円で買った私愛用の1人用土鍋で卵粥を作り、小皿には浅漬けの漬物を乗せて出すと、部長は美味い美味いと完食してくれた。

「三好家では昔から風邪引いた時は卵粥が定番なんです」

綺麗に平らげてくれた食器を片付けながら言うと、

「ん、すげー美味かったし、これ食ったらすぐ元気になれそう」

なんてことを、くしゃっと笑って言う。

…あれ、やっぱり可愛く見える…
 
今まで何とも思わなかった社内の女子を虜にする目尻に出来た皺が、私にも可愛く見えて来てしまった。

何これ。

私の目、おかしくなったんじゃない?

「でもあれだな。三好、料理出来なそうに見えて実は上手いし、すっぴんも可愛いし、ギャップ萌えって奴だな」

ニヤリ、意地悪く微笑む部長。

…うん、やっぱり私の目がおかしくなったんだわ。

っていうか、部長にすっぴん晒してんの、すっかり忘れてたー!

この前のホテルでは、コーヒーを掛けられた身体だけシャワーで流したからすっぴんにはなっていない。

対して今日は、昨日シャワーを浴びた時にメイクも落としてるから完全なるすっぴんだ。
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