君がくれた花言葉
それから数時間経って優月のお見舞いに行くことにした。母さんは案の定心配して行かせないつもりだったらしいが、毎日行くと約束したんだ。と言うと車を出してくれた。
途中、花屋に寄って青色のリィンカーネーションの花を買った。
向かってる間母さんはずっと僕に話しかけてくれていたが全て空返事で返した。この時の僕は優月のことで頭がいっぱいだった。

病院に着くと僕は急いで優月の元へ行った。

「優月!」

「あ、内豊くん!来てくれたんだ!」

「うん。」

満面の笑みで喜んでくれてる優月を見てとても嬉しかった。

「はい、これ。」

そう言って僕はリィンカーネーションの花を渡した。

「わぁ。すごく綺麗。ありがとう!」

「うん。また枯れたら言ってよ。すぐ買って届けるよ。」

「できるだけ枯れないように頑張るね‪!」

「うん。…あ、そうだ。今日学校行ったんだけどさ、やっぱ僕は受け入れられてなかったみたいだ。」

「そっか…。」

「あ、でも全部を悪い方に考えてる訳では無いんだ。母さんや父さんにちゃんと事情を話して編入できる高校を探してそっちに転校しようかなって。」

「うん。いいと思う。」

優月があっさり受け入れてくれてよかった。
ここで優月に止められたらどうしようかと思っていた。

「体調はどう?」

「うん。良くも悪くもって感じ。内豊くんが退院してから話し相手が減っちゃって退屈よー?」

「それは僕もだよ。家にいても何もすることないし、学校も行けないし、すごく、寂しい。」

「…うん。私も。すごく寂しい。」

お互い同じ気持ちでいた事が、こんな小さなことがとても嬉しかった。もしこの時に戻れるのなら僕はもっと君に愛を伝えていただろう。

それから僕は毎日ちゃんと優月のお見舞いに行って、母さんと父さんにも今までいじめられてて、自殺しようとした理由もいじめだと話した。そして編入に関しても2人とも同意してくれた。その間優月の体調も特に変わりなく、安定していた。安心していた僕に神様は突然裏切りを見せてきた。
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