神殺しのクロノスタシス3
そして。

僕は連日、すぐりさんの為に。

放課後ナジュナス食堂を開いた。  

勿論、すぐりさんだけではなく、他の生徒も呼んで。

すぐりさんはナスを克服出来るし、僕の株と料理の腕前は上達するし。 

一石三鳥とはこのことだな。

しかし、事はそう思うようには進まなかった。

というのも、すぐりさんのナス嫌いは、相当筋金入りだったようで。

段々と、ナスがサイズ感を増し、完全にナスと分かる固形物になってきた途端。

「何なの?何で皆これ普通に食べられるの?脳みそだよこれ。味も食感も、完全に脳みそなのに。何で普通に食べられるの皆カニバリズムなんじゃない?」とか。

半泣きの弱音を吐きまくっていた。

そして、無理して食べた後、マジで吐いたりもしていた。

あ、言っとくけど、僕の料理の腕前に問題はないんで。

あくまで、すぐりさんの好き嫌いの問題なので。

そんなに嫌いなのなら、もういっそ、カミングアウトしてしまえば良いものを。

何故か、一度やると決めたからには貫き通す、みたいな、そこだけは無駄に立派な意志のお陰で。

すぐりさんは連日、ナジュ食堂に通ってきた。

そこは褒めて良いと思う。

なので、僕もその信念に付き合ってあげた。

「昨日より食べられるようになってるじゃないですか。進歩はしてますよ」

と、時に励まし。

「良いじゃないですかあなたは。愛する人の手料理食べられるんだから。僕なんて、前世も今世も好きな人が破壊的な料理下手で、手料理なんて食べさせてもらえないんですよ」

と、時に叱咤し。

そして、遂に。

僕の考案によって、すぐりさんがナスを克服する、完璧なる必勝法を編み出した。
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