私の知らない恋の話。
「……俺は、勝手に、ずっと、なぎのこと好き」
「……」
「本気、だから。……好きに、させる」


鼻をズルズル啜りながら、人生ここにかけます、みたいな勢いの宣言をされて、何て答えるのが正解かわからなくて。
私はそのままもえの背中を撫でていた。


そこからの記憶はあんまりない。


朝になったら私はベッドに寝ていて、もえは何故か私のお腹に手を回して寝ていたし、何かされた感じもないし、もえの目は腫れてるしで、頭がおかしくなりそうな朝だった。
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