それでも、先生が好きでした。





―――ここは、どこ…??





瞳を開けると

クリーム色の布が揺れていた。


横向いていた体を真上に向ければ

白い天井が広がっていて


ゆっくりと周りを見渡してみて

クリーム色の布に囲われていることに気付く。



…保健室??



「……っ…」


ガンッと頭が痛み、思わず丸くなる。



痛みが和らいでから

体を起こしてみた。





…あたし、保健室なんて来た?



いろいろ思考を巡らすが

保健室まで来たという記憶がない。





―プルルルル・・・


考え込んでいたところに

機会音が響く。



「―はい、保健室です。」


どうやら、保健の先生がいるらしい。


「那智さんですか?

―はい、ちょっと待ってくださいね。」


え?

あたし??


突然出た自分の名前に驚いていると

コツ、コツとこちらに歩いてくる音がした。




< 23 / 149 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop