となりの紀田くん



「やべっ!逃げるぞ!」





その音は男たちにも
聞こえていたらしく
私から離れると
瞬時に服を着て
去って行ったーーーーーー





倉庫の中に
警察が入ってきて
お母さんにお父さん
柚や瑠威まで来てて………






私は安心感からか
倒れてしまったーーーーー




その後………目覚めた時に
事情聴取されたが
何も答えられずに





私はただひたすら
泣いて自分を攻め続けた。





なんで守って
やらなかったんだろう?





自分が死ねば良かったとか。





そんなことを
日々毎日思って考えて
自己嫌悪に陥る。





結菜の葬儀の後も
私は真実を誰にも
話せずに心の奥底に
しまい込んだーーー





犯人は捕まったけど
そんなこと関係ない。





犯人が捕まろうが
死のうが何しようが
もう結菜は還ってこないし
何より私の暗闇恐怖症は
消えてはくれないのだから。





ーーーーーーーーーー





床に蹲った状態で
耳を塞ぐけど
あのときの記憶が
鮮明に蘇り声も出ない





せめて、みんなが
いるところまで
戻れてればなんて
思ったところで
どうしようもなく





恐怖心に煽られながら
ただ明かりがつくのを
ひたすら待つ





何分経ったかな?
バッと明かりがつき
私は目を開けたーーー





「ゆ………「ゆあっ!!」





走ってくる瑠威に
それよりももっと後ろで
私の名前を呼びかけた紀田





「ゆあ、ごめん!俺が置き去りにしたから…嫌なもん思い出しちゃっただろ?ごめん……泣くな………」





ぎゅううううっと
力強く私を抱き締める瑠威。





「る、瑠威っ」




瑠威にしがみついて
胸に顔を埋めて泣きわめく…………





そんな私の頭を
瑠威が優しく撫でて
それが何だか優しくて
心地よくて嬉しくて





安心できて





つい口から溢れてしまった。






「私…………瑠威が好き。もう、どこにもいかないで。私の傍にいて。」






瑠威の後ろから
歩いてきた紀田に
気づかずにーーーーーーー
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