となりの紀田くん
*嵐*



*嵐*




楽しい楽しい
夏休みも終わり
新学期が始まりましたーーー




「あー、まじ学校だりー」





隣で腕と足を組み
偉そうに背もたれに
もたれかかってる紀田が
そんな事を呟く………。




「そんなこと言ってられるのも今のうちよ!!!私の宣戦布告…忘れたとは言わせない!!」




「あ?新学期そうそう……うっせぇなお前は」





あからさまに不機嫌な顔で
私を睨みつける………





あの海での告白から
まるまる1ヶ月




紀田と私の犬猿の仲は
今も継続中ですーーー




ただ1つ違うのは
紀田が私の彼氏になった(?)
ってこと…………




「覚悟しときなさいよ!!」




「期末テストの件……まだ、根に持ってんのかよ……さすがメス猿だな」





そう………前回の期末テストで
紀田にボロ負けした私は
"次は絶対勝つ"という
宣戦布告をしていたのだ………




「だから誰が………」



ん?待てよ………



私は文句を言おうとした
口を閉じて考える




オス猿からメス猿に
昇格している?!




それだけでちょっと
嬉しくなっちゃう私は
やっぱり病気なのかも………。





「何、ニヤけてんの?きもいんだけど……」




前言撤回!
やっぱこいつムカつくわ!!




「に、ニヤけてないし!!」




「お二人さん……相変わらず仲良しだねぇ」




私が紀田をにらみつけていると
鈴がほのぼのとした表情で
そう言った………




「榎本……目、大丈夫か?」




「鈴…………今回ばかりは紀田に同感だよ………」




一体どこをどうみたら
私たちが仲良さそうに
見えるのか………




鈴は、えへへと笑って
「大丈夫だよー」と呟いた




本当に大丈夫なのだろうか……
凄く心配になってきた。

< 95 / 370 >

この作品をシェア

pagetop