東京血風録4 ダークサイド・イリュージョン
1人は学生服であるが、内からの筋肉の盛り上がりでパンパンになっている。
藤堂飛鳥である。
摂津秋房の猛攻により、大ダメージを負ったが、龍王院流庇護術師龍王院真琴の献身的な看病と、己のチャクラに依る回復により伽藍学園へ駆けつけようとしていたのだ。
「邪魔をするなと言ってるんだ!」
飛鳥が語気を荒げた。
もう一方の男は2メートル近い長身で、これまた筋骨隆々であった。
無敵丸甲児である。
「邪魔も何もぶつかってきたのはそちらだろ!」
甲児も引かなかった。

つい先程の事である。この交差点は学園の入り口でもあり車両の通行が禁止されていた。3本の道が交差しているのでそれなりに広いのだが、学園へ向かう坂道の入り口の所で、走って来た2人がぶつかったのだ。
弾けた2人はお互い引かず口論になったのだった。

「邪魔呼ばわりされるのは心外だな。ならやるかい?コレで」
そう言うと甲児は、拳を突き出した。
「なんでそうなる?」
飛鳥は呆れながらも、意気揚々だった。
真琴の活力をもらったからなのか、すこぶる調子がよかったのだ。
「受けて立つ!」
飛鳥は、構えた。









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