東京血風録4 ダークサイド・イリュージョン
まさか、である。
予期せず闘う事になったが、その先にあるモノに驚愕した。
遥の眼前、鳳竜堂柊一の背後にあるモノは護符で形取られた、八岐大蛇(ヤマタノオロチ)であった。
巨大なそれは、有に3メートルはあった。柊一の両肩に2本、鎌首をもたげていてそこから左右に6本ずつ蛇の頭があった。その様は流石に圧巻であった。

柊一は霊力はさほど強くない。それは自覚していた。だから、真琴のサポートが必要だった。護符連陣の大きな強力な技を使うには、多くの霊力を必要とした。
強力な技は数を打てない。八岐大蛇顕現は柊一の技の中でも強力なモノである。
ここ一番でしか出さない大技を出した。
柊一の決意の表れであった。

真琴、君がいてくれたから僕はいつも全力を出せた。君がいなくてもやれる。それを証明したいんだ。

遥も柊一の決意を理解していた。
これだけ大きな技は、消費するエネルギーも大きい筈だ。それに応えてやる。
遥の覚悟である。



時と場所が移動する。
少し遡る頃、真琴こと龍王院真琴は伽藍学園の最寄り駅に到着した。
無論、柊一のサポートをする為だ。
京都と奈良の2人、協力して何件かの事象を解決してきたのだ。仲も悪くない。
先頃、真琴が思いの丈を柊一にぶつけたのだった。即ち、告白した。
その事で、気恥ずかしさから真琴からはまともに連絡も出来ずにいたのだ。
この件に関しても、柊一から言われたのでここまでやって来たのだ。
ただ、足取りは自分で思うよりも更に重かった。
伽藍学園へ向かう道中だが、気乗りしなかった。
そんな時だった。











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