東京血風録4 ダークサイド・イリュージョン
安穏たるunknown

東京ストレンジャーズ・1

東京、伽藍学園。
朝である。
ここへ向かっている者たちが動き出していた。

伽藍学園は、校門を抜けると狭いながらも校庭があった。
その中央に、職員室にあるような椅子に黒ずくめの者が座っていた。
それもまた黒いフードを被っていて、顔下半分も黒いマスクをしているので、表情すら窺えない。
前屈みになりながら、微動だにせずそこに佇んでいる。

校内。
本来休校日である今日、生徒がいるはずはなかったが、一人の女生徒が生徒会室にいた。
生徒会書記に籍を置く彼女は、どうしても必要だった書類を忘れ、取りに来たのだった。
「私って、ホント抜けてるなぁ」
誰もいない教室で独り言ちた。
そして、最近姿を見せてない生徒会長の安否を気にするのだった。
摂津秋房。
憧れの人。
書類を手にし、教室をあとにする。

校門からやや右手にある、昇降口の所に人影があった。
女である。
自然なブランドヘアは、ネイティブ外国人のものだ。
スポーティーな出立ちは、アスリートを彷彿とさせる。
「カミラ・シルバーストーン。キラーズ・コード発動により、助太刀します」
誰に向けた自己紹介なのか、流暢な日本語である。
いつから居たのか、校門の所に2メートル近い男が立っていた。
昨日、遥の所へ来た無敵丸剛太である。
軽く右手を挙げた。
カミラへの返答である。

それを合図に、椅子に座っていた黒ずくめの者が立ち上がった。






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