甘々顔KING総長様と地味顔女子
それからタクシーを呼んで、私達は3人して病院に向かった。


「また来たのか。はぁ。」
そう言う医師の人は総長様を見るなり、ため息をついた。
「え?」
「とりあえずレントゲン室行って。っつたく、飲み屋じゃあるまいし、常連客になるなよ、」

え?
え~~~~??病院の常連客ってどんだけなの?!!

「ごめんね~亮ちゃん、亜弥がバカでね~」
お兄様は馴染みなのか、医師に対してちゃん付けして喋ってる。

「未那、人の事言えんのか、お前が一番太い客なんだよ!」

えっ!?

「うわ、やぶ蛇っ、退散しよ―っと。じゃ、亮ちゃん俺ら待合室で待ってるから、亜弥をよろしく~」
「おう」
「えっ、」えっ?総長様に付いていかないんだ?
「まゆちゃん、こっち」
「あ、はい」
手で招かれ、その方向へ進むと、少し広いフロアに長椅子が何脚も置かれているスペースに出た。
その一脚にお兄様は座り
私も隣に座らせてもらった。

時間が遅いせいか、患者さんはほとんど居ない。
そこから見える院内の様子を見てると、

「まゆちゃんって、」

ん?

「亜弥の事、好きでしょ」

はっ?//

「なっ///、なんですかっ、いきなりっ//!」
「ぶはっ、わかりやすっ!」
「うっ///」うう
言い返せないっ、

「亜弥さ、彼女作らないんだよね、」
「え、そうなんですか?」
「なんでかわかる?」
「いえ」
モテすぎて1人に絞れないとか?

「彼女作ると、必ず別れさせられちゃうから。」
「え?なんで?っていうか誰にそんな」

「亜弥が中学ン時に初めて付き合った子がいたんだけど、たった3日で相手の子からやっぱり付き合えないって言われたらしくて、でもま、女なんてそんなもんかって思ったくらいで居たんだって。でも次に付き合う子もその次の子も悉く同じ感じで断られ続けたもんだから、
さすがの亜弥も自信なくしちゃってね。それで、俺に聞いて来たんだ、俺ってそんなにモテないのか?って、」

「へっ?」

「ウケルよね、亜弥がモテないワケないじゃん、とりあえず、今までの話しを聞いて、
俺はある疑問を抱いてさ。、亜弥の事を振ったっていう女を片っ端から、捕まえて吐かしたら、全員が大泣きして怖い男の人達に脅されて仕方なく亜弥との交際を諦めたって言うじゃん」

「!」
え、
それって、もしかして・・

「そんなヤロー共を使う奴なんて知る限り、蘭さんしか思いつかねぇ。」

蘭さんって、たしかあの部屋でお兄様がお母様に対して呼んでた名前・・

やっぱり

・・お母様が・・

「亜弥にも、それは伝えた。そしたら、それ以来
彼女作らなくなっちゃったんだよね」

「それは、・・」
あの総長様の事だもん、付きあえば、又、
その女の子に怖い思いをさせてしまう。きっとそれが嫌だから・・
ん?
「でも、普通に遊んでますよね総長様。」なんかムカつく

「ああ、それは大丈夫なんだ、遊びだったら全然。」
「?」
どんな違いがあるというの?

「遊びはその場のノリで終わるけど、彼女とか、特定は違うじゃん」

ノリですかぁ――!ノリで遊べるんですかぁぁ!!

「え、まゆちゃん顔怖いよ?」
「うっ!//気にしないでください!」

「はは。
あ―、その、それで亜弥が仕事に集中できなくなると思ったんだろうね。、だから蘭さんは別れるよう仕向けてたんじゃないかな」

「仕事・・って」
まさか

「いつでも自分の元に戻させて、あんなコトをさせる為にジャマなもんは早めに亜弥の周りから排除しておきたかったってとこだろ」

「!!!」


「今回の事で、
・・亜弥がどんな目にあってたか、知ったよね。」

「う!」
それは・・総長様が、その・・男の人に買春行為をさせられてたってコトだよね。
っ、声が出ない。

・・だから
コクッって頷いた。

「まぁ、今回はされてないけどね。」
え?
「今回・・って」
あ、良かった、声が出る。

「亜弥のことを買った奴を捕まえて吐かせたからホント。」

買った・・とかサラッと言う・・・

て、そうじゃない、それより
「あの、今回ってことは・・やっぱり、、」

怖い、聞くの怖い、でも、

「前回もあった・・ってコトですよね」

ちゃんと知っておきたい。


「・・ん
最初は、あいつが小学生の時。」

「!!!」

「なんにも知らないで蘭さんに連れていかれた。あいつの目が気に入ったって野郎が大金払って、1週間もの間、買われてた。」

「え・・」

――し、
小学生・・で?いっ、一週間・・も

「うっ」
想像しただけで気分が悪くなった。


「続けても大丈夫?ここで止めようか?」
そんな私を見てお兄様は心配したんだろう。
だけど
「だ、いじょうぶ、です、続けてください」
逃げたくない。

「・・じゃ、続けるけど、無理はしないでね。」
「は、い。」

「亜弥に価値があるとわかった蘭さんは、又、別の客に引き合わせようとしたんだけど
それに俺の親父が気づいて、離縁を申し出てさ。すぐに蘭さんの目の届かない場所へ引っ越したんだ。それでも、あいつはしつこく亜弥の事を探し回ってさ、ま、そりゃ、蘭さんにとって亜弥は金の成る木だかんな、あきらめもつかなかったんだろ。」

あ・・
それが原因で離婚したんだ。でも、

なんて酷い理由なんだろ


「さくらがまゆちゃんと同じ中学に転校してきたの知ってるよね」
「え、あ、はい。たしか2年になった時って」
「その転校もそれが原因。前の住所があいつに見つかっちまって、やむなく新しい住居に引っ越すしかなかったんだ。」
「!」

「でも、甘かった、今のトコも見つかって、このザマだ。しかも、さくらのことも狙ってきやがって、」

顔が歪んでる、こんな顔をするお兄様は初めて見た。


「まゆちゃん」
「え、はい」

「退いた?」
「え?

「こんな話して、聞いて。
亜弥の事、気持ち悪いって思わなかった?」

「!!」

「それでもまだ亜弥の事を好きって言える?」

―――――!!!

お兄様は、
もしかして

私を試してる?

なんで?

いや、待って、
「それ以前の問題かと思うんですけど。」
そうだよ、いくら私が好きって言ったところで総長様には届かない
それどころか、私の方が総長様に退かれるよ

「ん?どういうこと?」
「総長様からしてみれば、私の事なんて眼中に無いっていうか、迷惑でしかないだろうし、・・だから、私の気持ちがどうとか関係ないと思うんですけど。」

「・・・」
「?」お兄様?

「あ、悪ィ、ちょっと固まってた」
「え。」なんで?

「あ、ちょっと待ってね、ん―――、」
そう言ってお兄様は何か考え込んでしまってる。
どうしたんだろ

「えっと、確認だけしていい?」
考えがまとまったのか、お兄様はそう聞いて来た。
「は・・い?」

「とりあえず亜弥の気持ちは置いておいて。まゆちゃんは今、俺が話した事を聞いても、亜弥の事を好きだって気持ちは変わってないの?」
「はい。」
「即答かよ!」
「えっ//ダ、ダメでしたっ??!!」

「・・」

え~~~~~
また黙っちゃったよお兄様。
何?やっぱ、この女頭おかしいとか?お前なんかが釣り合うと思ってんのかとか思われたっ?

「おかしい」

前者でしたかぁぁぁっ、

「すいません、私ごときが・・」
「わっっ――!なに土下座してんの?!まゆちゃんっ」
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