BLOOD VAMPIRE
「お目覚めになられましたか…お嬢様」
視線をズラすと隣には
レイがいて
いつものニッコリ笑顔を
私に向けている…
そんな些細な事に
フッと笑いを漏らすが
一瞬のうちに昨日の惨劇が
頭の中を駆け巡る。
ガバッと起き上がり
レイのそばへ寄って
「レイ大丈夫!?体、何ともない!?」
慌てて体のあちこちを触る。
「お嬢様…それは誘っているのですか?」
ニヤリと笑い私の
顎を持ち上げるレイ
「ば、ばかじゃないの!?…冗談を言えるくらい元気ってことね…。そうだ!!あのナギとかいう少年は!?どうして消えなかったの!?」
いつもなら蝶になって
消えていくのに……
「恐らくそれは、対ヴァンパイア用の武器で法悦を与えなかったからでしょう。天使が人に法悦を与えるのと同じようなものです…」
法悦?
よくわからないけど
とにかくあの光は
ヴァンパイアの
仕業じゃないのね。
なら一体誰がーーー?