BLOOD VAMPIRE



「というわけなので失礼します」


そう言ってレイは
軽々しく私を抱き上げる



お姫様だっこ!!!
恥ずかしい!!!



「ちょ、ちょっと降ろして!!」



「一刻を争いますので…」


「いいから降ろして!!主の命でしょ!!言うこと聞けぇええええ」



「今は莉央斗様の夕食が優先ですので。諦めて下さい。ニコッ」



ニコッじゃねえよ!!!



そんなツッコミをしてる間に
私をお姫様だっこしながら
異常な速さで走り出す。



もうダメだこいつ………。



ーーーーーーーーーー



結局あのままの体制で
帰ってきて玄関前で
やっと降ろされた。



「ただいまー………うげっ!り、莉央斗!!」



「今、何時か分かってる?」



「よ、夜の10時」



「そう…。で、僕の夕飯を忘れて何処で遊んでたのかな?りりか姉さん…」



ううっ…
莉央斗が怒っていらっしゃる!!



佐伯 莉央斗 サエキ リオト
中学三年の15歳で私の弟



昔は小さくて可愛かったのに
中学入った途端、生意気で
聞き分けの悪い子に…



そして怒ると怖い。
冷たい冷酷な目で
私を睨みつける莉央斗。



ああ。私の人生…
ジ・エンドだ……



そんな事を考えていると
横からレイが現れて



「莉央斗様、夕食の時間に間に合わず申し訳ございません。」



そう言ったーーーーーーー



しばらくポカーンとする莉央斗
しかし我に返ったのか
鋭い目つきで



「あんた誰?」



レイを威嚇する。



「申し遅れました。私、アリス・レイ・バーントと申します。佐伯家で雇われた執事でございます。これはまた立派なお屋敷で…」



「まあね。」


家を褒められて
ちょっと得意げになる莉央斗。



「てか、さっさと入れば?馬鹿姉貴」



そう言ってリビングへと
消えて行った。



レイのおかげで助かった!!



この時ばかりは
レイに感謝をした
莉々華であったーーーーーー。
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