イケメン彼氏とはじめる相思相愛
駅で別れ際に、一颯が思い出したように、
「あっ、そうだ。シンヤだけど⋯⋯ 」
と言いかけた。
何だろうと思って、彼の顔を見たら、そのまま口を閉じた。
「いや、やっぱなんでもない」
絵里奈も瞬間(言おうかな)と思った
何を?
形にならない、シンヤへの違和感。
でも友達なんでしょう、変に言いつけるみたいに告げ口する?
シンヤの態度の事も、ちょっと会っただけなのに、告げ口どころか、わざわざ彼に心配を言うほども知らないのに、決めつけて何を言おうと思っているのか。
でも、そんなほんのちょっとの陰りは、やっぱりほんのちょっと相手に伝わって、ちょっと思ってしまってるから逆に大きくなる。
ちょっと一滴、シンヤのことが黒い点のように暗い気持ちで気になった。
彼に言いにくいことも。
遠慮してしまうことも。
嫌われるのが怖いのも。
なんだかまだ、彼との間の距離を感じ
た。
彼の心の中はどう思っているのかな。
『信じられないんだよね』
ってことばが耳に残る⋯⋯ 。
もっと知りたい、彼の思ってること、感じてること。
知って欲しい、私の心。


