イケメン彼氏とはじめる相思相愛

海の音とオレンジ色の世界の夜に、絵里奈のかすかな息遣いが吸い込まれる。

一颯は笑ってはいない、怖くはない、真顔。
熱をはらんだ目と、知らない緊張感と。

絵里奈が緊張感を断ち切るように思わず慌てて、


「えっと、えっと」


と言葉を探したので、ふっとまた空気が緩んだ。

それから彼が少し笑った。
苦笑に近かった。

顔を近づけて、髪を触ったまま耳元で、


「今度ね」


って言われた。

彼のかすかな吐息が、ほおと耳のあたりに感じて、触られた髪が、まるで一本一本意識があるみたいに、彼の指を感じた。

ずっとこのまま彼と座ってたいけど、帰らなきゃいけない。

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