君と旅の途中
















「あっ。都生。来てくれたんだ」

















崖の淵に座り込んでいた穂希は俺に気が付くと、柔らかな笑みを浮かべた。
















「よくここがわかったね。さっすが都生」
















「……お前がいう公園って、ここしかないだろ」
















引きこもりの俺に階段ダッシュはかなりきつくて、肩でゼイゼイと荒い息をする。

















ふっと呼吸を整えてから、上半身を起こす。

















ここは、三月公園。
















穂希が悩んでいる時、よく来る公園だ。

















高台にあるから、町の様子がよく見える、知る人ぞ知る公園。

















昔から俺と穂希は三月公園で夜空を見るのが好きだった。
















横になると、視界いっぱいに燦然と輝く星空が広がって、まるでこの世界に俺と穂希の二人だけしかいないような錯覚を覚えた。
















ちょっとした秘密基地みたいな、思い出の場所。















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