好きになってもいいですか? ~訳あり王子様は彼女の心を射止めたい~
「ねえ、泊っていくんでしょ?」
片づけを終えた母さんが寝室の用意をしようとしている。

「ああ、もう飲んだし。明日の朝帰るよ」
「そうね、そうしなさい」

やはりここは俺の実家。
たとえ苗字が違っても2人が両親だ。
俺も大地と親子になれるだろうか?

ブブブ。

ん?

「空、あなたの携帯じゃない?」
「本当だ」

珍しいな、こんな時間に着信なんて。

え?
立ち上がって相手を確認してさらに驚いた。

『川田礼』
そこには礼の名前が表示されていた。
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