天敵御曹司と今日から子作りはじめます～愛され妊活婚～

そもそも塾は夕方からが仕事なので、ここ本部でもそれぞれの仕事に合わせてフレックス制が敷かれてはいるけれど、私はわりと朝早く出勤するほうだし。


「ひとりでいるのは不安？」


小暮さんの質問に体にゾワッとした感覚が走る。
図星で言葉が出てこない。


「……いえ」
「怖ければ俺の家に来るか？」
「とんでもない」


びっくりする提案に目を丸くしたが、彼のほうが驚いた様子だ。


「あはは。完全拒否か」
「ご迷惑はかけられませんから」


慌てて言うと、小暮さんは意味深長な視線を向けてくる。


「なるほど。迷惑じゃなければいいんだな」
「め、迷惑に決まってます」
「俺の気持ちをお前が決めるな」


彼はクスッと笑う。


「とりあえず腹が減った。おごるから食べに行こう」
「本当ですか？ラッキー」


あえてはしゃいでみせた。
すると彼は満足そうに口の端を上げて「行くか」と立ち上がった。